学術大会

2023年 関東甲信越歯科医療管理学会 第29回学術大会のご報告

2023年度 関東甲信越歯科医療管理学会総会・第29回学術大会は現地会場での開催とオンデマンド配信(オンライン事前録画等方式)を併用したハイブリッド形式で下記の通り開催いたします。

 

会期 会場開催     2023年11月12日(日) 9:00~16:00
オンデマンド配信  2023年11月17日(金) ~12月22日(金)まで
※オンデマンド配信の開始時間が若干遅れます。ご迷惑おかけいたしますが、ご理解の程、よろしくお願い申し上げます
会場 神奈川歯科大学 横浜クリニック 7階会議室(JR横浜駅 北口・徒歩5分)
大会長 林 昌二(神奈川歯科大学短期大学部 特任教授)

開催要旨

  1. 本会はこの数年「100歳時代をどう生きるか」をテーマに議論を重ねてまいりました。その結果、健康寿命を延伸するには8020運動の理念に基づいた自立歩行の重要性が示唆されています。
  2. 昨年は自立歩行を高齢者の誰にでも確立できる環境をサポートできるコ・デンタルスタッフの歯科衛生士職域に焦点を置いて開催いたしました。
  3. 前大会では、介護現場のメンテナンスにおいて、セルフケアはもとより、プロフェッショナルケアでも十分なケアが出来ていないことが認められました。特に、高齢者のインプラント治療後のケアについては解決しなければならない問題点も多く検討が望まれます。
  4. 本年5月に長崎で開催されたG7(長崎保健大臣会合)の際、「G7 UHC・グローバルヘルスプラン(2030年までのプラン)」が策定され、宣言がされました
    UHC:誰もがお金の心配をすることなく適切な予防・治療・リハビリ等を受診できる状態。
  5. 本大会では先に述べた「高齢者のインプラント治療後のケア問題」に焦点を当てて、100歳まで自然体で自立歩行できることを確保し、より成熟したQOLを確立したく企画しました。
  6. また、昨年に引き続き歯科衛生士の職域についてのより成熟させるべき対応を検討していきたいと思います。

 

第29回学術大会・スケジュール

神奈川歯科大学横浜クリニック 開館時間 8:00
受付開始(7F) 8:25
関東地方会・2023年度定時総会 8:30~
第29回学術大会・開会式 8:50~
一般口演(×6題) 9:15~
  〈3-1〉9:15~9:23 // 9:24~9:32 //
  〈3-2〉9:33~9:41 // 9:42~9:50 //
  〈3-3〉9:51~9:59 // 10:00~10:08 //
  (口演・7分→質問・1分)
特別講演(×2題) 10:15~10:55
11:00~11:45
昼  食 11:45~13:00
ポスター発表(×4題) 12:20~12:55
  〈2-1〉12:20~12:28 // 12:29~12:37 //
  〈2-2〉12:38~12:46 // 12:47~12:55 //
  (口演・7分→質問・1分)
教育講演(×1題) 13:00~13:40
休  憩 13:40~13:50
シンポジウム 13:50~15:50
  〈8-1〉13:50~13:55(座長・プロローグ)
  〈8-2〉13:55~14:10(演者:4ー1)
  〈8-3〉14:10~14:25(演者:4-2)
  〈8-4〉14:25~14:40(演者:4-3)
  〈8-5〉14:40~14:55(演者:4-4)
  〈8-6〉15:00~15:30(ディスカッション)
  〈8-7〉15:30~15:40(質    疑)
  〈8-8〉15:40~15:50(座長総括)
閉  会 15:50

第29回学術大会・プログラム

  1. 特別講演 咀嚼機能の向上と健康寿命の延伸と生活の質の向上を考える

    パート①基調講演「平均寿命・健康寿命・そしてイキイキ寿命~医療の関わり合い」
    講師 : 弘田明成 先生 東京・駒沢・アット・ホームクリニック 院長/医学博士
    パート②大会長講演「高齢化社会でのインプラント治療の展望」
    講師 : 林 昌二 先生 第29回学術大会 大会長/神奈川歯科大学短期大学部 特任教授/歯学博士

  2. 教育講演
    「これから求められる歯科衛生士とその教育 -卒後研修、リカレント教育の必要性-」

    講師 : 石川裕子 先生 千葉県立保健医療大学健康科学部歯科衛生学科 教授/歯学博士

  3. シンポジウム

    「高齢者治療の残存歯とインプラント治療の共存を考える」

    「超高齢社会におけるインプラント治療 : 高齢者へのインプラント治療をどう考えるか?」
    講師 : 佐藤大輔 先生
    昭和大学歯科病院インプラントセンター 副センター長/昭和大学歯学部インプラント歯科学講座 講師

    「天然歯とインプラントの共存を求めて ~インプラント臨床25年から導かれるインプラントとは~」
    講師 : 柴垣博一 先生
    日本歯科医療管理学会 専務理事・認定医/日本口腔インプラント学会 専門医・指導医
    医療法人 賢信会 柴垣歯科医院 理事長

    「高齢者におけるインプラントのメンテナンス ~歯科衛生士の立場から~」
    講師 : 河野章江 先生
    日本歯科衛生士会副会長/講道館ビル歯科・口腔外科

    「訪問歯科医療から見えてきた天然歯とインプラントのケアについて」
    講師 : 藤川隆義 先生
    医療法人社団 藤川歯科医院 理事長
    新札幌・ひまわり歯科 院長/日本障害者歯科学会 指導医

  4. 一般口演・ポスター発表

    演題募集中!▶詳細は事務局にお問い合わせください

【学術大会参加費 現地参加の場合】

歯科医師 ¥5,000
歯科医師以外(現地参加の場合) ¥3,000
<会場参加のみ>学生・研修医 無料

【学術大会参加費 オンデマンド配信でのWeb参加の場合】

Web参加費 ¥5,000

2022年 関東甲信越歯科医療管理学会 第28回学術大会のご報告

関東甲信越歯科医療管理学会 2022年度第28回学術大会報告

はじめに

第18回学術大会以来、10年ぶりに山梨県甲府市で第28回学術大会を実開催スタイルで開催できましたことをご報告させていただきます。

報告

  1. 実開催は予定通り、2022年11月20日に3年ぶりの開催ができました。実開催は80名、11月25日から12月2日までのWeb開催(オンデマンド配信)には、50名が参加登録していただき、合計参加数は130名でした。
  2. メインテーマは、「歯科医療管理学からみるSDGs&UHCを考える~自立歩行ができる健康寿命の延伸~」でした。ご協力いただきました関係各位に心からお礼申し上げます。
    実開催当日は東京地方より、ちょっと肌寒い天候下での開催。主催者は新興感染症第8波突入とのニュースを耳にして、感染対策を最高レベルの対策を実施そして参加者には自己責任第一の対策をお願いしての開催となりました。
  3. プログラムトップバッターの一般口演(×6題)の会場は、早朝にもかかわらず、ソーシャルディスタンス設定の座席は、いっぱいでした。
    その会場は実行委員・ボランティアのスタッフ30名の完璧なトップレベルの感染対策の会進行でした。例えば、タイムキーパー・アナウンス役・パソコン操作係などの会場進行コントロールチーム、そして各種講演演者への感謝状贈呈・写真撮影・ビデオ撮影、演者交代時の消毒係も,皆さま大活躍でした。
  4. 昼食をはさんでの「ポスター発表」×5題は、関東甲信越歯科医療管理学会の28回開催経験上初めての企画でした。
    メイン会場後方の発表会場は、昼食後の休憩参加者も積極的にご参加くださいまして、会場が一体となり、演者の周りに数十名の輪ができてアットホームな雰囲気で熱心に発表を聞いてくださり、活発な質疑応答も行われました。
    【会場の参加者すべてを聴講者としたポスター発表】
  5. 各種講演(特別講演×2・基調講演・教育講演×2・シンポジウム)も、理路整然と企画通りに進行できました。オンデマンド配信のためビデオ撮影されていました。
    Web参加視聴の方々には、臨場感のある映像になっていたかと思います。
    【会場(山梨県歯科医師会館 3階ホール):基調講演 (古屋好美講師)】
    【シンポジウムディスカッション・感染防止対策としてパーテンションを使用】
  6. 会場周辺には飲食できる場所が少ないため空港ラウンジスタイルの給食サービスを実施しました。
    給食スタッフは山梨県歯科衛生専門学校の教職員の先生方でした。スタイルは、アイソレーションガウン・ヘッドキャップ・腕ビニール袋・手袋着用の重装備感染対策の仕様となりました。
  7. なお、実開催にあたり、参加者情報・健康状態申告書の記入をしていただき、新型コロナウイルス感染拡大予防対策として参加者の健康状態を確認することを目的に実施しました。
    先生方のご協力で、アットホームな手作り学会が無事開催されました。
  8. 歯学系マスコミ4社に取材いただきました。
    詳細は以下の通りです。
    ⒜ 月刊 『日本歯科評論』 1月号(12月20日発刊)
    ⒝ クインテッセンスのメールマガジンQuint Dental Gate - 2022年度関東甲信越歯科医療管理学会総会・第28回学術大会開催 (quint-j.co.jp)
    ⒞ 日本歯科新聞社(12月6日付)
    ⒟ 医歯薬出版・Webサイト(歯科界ニュース-関東甲信越歯科医療管理学会2022年度総会・第28回学術大会開催される/Ishiyaku Dent Web)
    ご高覧いただけたら幸いです。
    【集合写真(実行委員・ボランティア)】

おわりに

  1. オンデマンド配信メニュ-の中に緊急企画として「チョット休憩タイム」コーナーを設けました。意味合いとしては長い動画視聴でお疲れになった時に実開催の臨場感あふれる各種講演・一般口演・ポスター発表・シンポジウム・給食サービスなどの光景をナレーション付きで参加者の皆様にサービスさせていただきました。
  2. チョット休憩タイム」の企画は如何でしたか、ご感想をいただけたら幸いです。
  3. 最後に、本原稿執筆時(12/17)の時点では新興感染症に罹患したとの報告は、いただいておりません。

(文責)大会長 七沢久子

2022年度 関東甲信越歯科医療管理学会総会・第28回学術大会は3年ぶりの現地会場での開催とオンデマンド配信(オンライン事前録画等方式)を併用したハイブリッド形式で下記の通り開催いたします。

 

会期 会場開催     2022年年11月20日(日) 9:00~16:00
オンデマンド配信 2022年年11月25日(金) 9:00~12月2日(金) 18:00まで
会場 山梨県歯科医師会館 3階ホール(山梨県甲府市大手1-4-1)
大会長 七沢 久子(山梨県歯科衛生専門学校 校長)

開催要旨

  1. 本会はこの数年「100歳時代をどう生きるか」をテーマに議論を重ねてまいりました。その結果、健康寿命を延伸するには8020運動の理念に基づいた自立歩行の重要性が示唆されています。
  2. 本大会ではまだ終息されていない新興感染症の歯科医療管理学としての検証、国民皆保険・弱者救済を勘案したSDGs UHCの取り組みを歯科では、どのように 対応できるか多方面から検討を加えたいと企画・立案しました。
  3. 具体的には歯科医療はペインクリニックと言われます。まさに痒いところに手が届く心構えが求められています。まず、顎顔面に生じた疾患(骨・歯肉・歯髄)をいち早く治癒させ、その過程で患者さんの「心のケア」を最優先して取り扱うことを本大会のポリシーとします。
  4. 近年の知見ではもうひとつの大きな壁があることが分かってきています。それは80歳の壁ともいわれ、80歳代は70歳代とはまるで違ってきます。ガン・脳梗塞・心筋梗塞・肺疾患などを含む体の不調が多くなる傾向があります。その大きな老化の波に負けることなく、自立歩行を確保し、共に健康長寿の延伸を目指すために本大会を開催いたします。

 

SDGs Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)
UHC Universal Health Coverage (ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)

第28回学術大会・スケジュール

山梨県歯・開館時間 8:00
第28回大会受付開始(1F) 8:28
関東地方会・2022年度定時総会 8:30~
第28回大会・開会式 8:50~
一般口演(×6題)  9:15~
特別講演(×2題)  10:10~
基調講演 11:15~
昼  食 12:00~13:00
ポスター発表(×5題) 12:25~12:55
教育講演(✖2題) 13:00~
シンポジウム 14:20~15:50
閉会 16:00

第28回学術大会・プログラム

  1. 特別講演

    パート①「自立歩行ができる健康寿命の延伸 フレイル予防~整形外科疾患を含めて~」
    講師:今井整形外科 院長 今井大助先生
    パート②「8020理念に基づいた、健康寿命の延伸 ~多職種連携による口腔健康管理を考える~」
    講師:花形歯科医院 院長 花形哲夫先生

  2. 基調講演
    「新興感染症の検証」~地域連携・山梨県の取り組み~

    講師:甲府市保健所長 古屋好美先生

  3. 教育講演

    パート①(認定医研修会)「安全・安心の歯科医療を持続的に提供するためには」
    講師:日本歯科医療管理学会 理事長 尾崎哲則先生
    パート②「新興感染症への歯科診療所の対応(施設基準)と 最近の歯科診療報酬制度等
    ~歯科医療管理学的な側面からの今後の対応を考える~」

    講師:日本歯科医療管理学会 医療保険・地域医療検討委員会 委員
    東京歯科大学社会保障学 教授 上條英之先生

  4. シンポジウム

    「今後求められる歯科衛生士像を考える~SDGs&UHCの推進を踏まえて~」
    講師:
    山梨県歯科衛生専門学校 教務主任 土屋あけみ先生
    日本歯科大学東京短期大学 歯科衛生士科教授 合場千佳子先生
    日本歯科総合研究機構 主任研究員 恒石美登里先生
    居宅介護支援事業所 カンナ所長 川崎美智子先生
    東京医科歯科大学口腔疾患予防学分野 教授 品田佳世子先生

  5. 一般口演・ポスター発表

【学術大会参加費 現地参加の場合】

歯科医師 ¥5,000
歯科医師以外(現地参加の場合) ¥3,000
<会場参加のみ>学生・研修医 無料

【学術大会参加費 オンデマンド配信でのWeb参加の場合】

Web参加費 ¥5,000

2021年 関東甲信越歯科医療管理学会 第27回学術大会のご報告

関東甲信越歯科医療管理学会・2021年度
総会・第27回学術大会 終了の御礼

関東甲信越歯科医療管理学会・2021年度総会・第27回学術大会は盛会のうちに終了いたしました。多数のご参加をいただき、誠にありがとうございました。
参加登録者117名(会員55名・非会員62名)ならびに19社の協賛企業のご支援を賜りましたことをご報告申しあげます。

第27回学術大会は、新型コロナウィルス感染症の世界的な蔓延が続いたことから、2021年11月3日から27日まで昨年同様Web開催しました。
なお、大会メインテーマは、2019年以降、「100歳時代をどう生きるか」について、本会が検討してきた結果、自立歩行の重要性やフレイル予防など議論を重ね、「コロナ禍における歯科医療管理を考える~安全・安心な医療提供をめざして」を大会テーマに設定しました。
大会テーマに基づき、特別講演、シンポジウム、教育講演、一般演題11題を企画どおりに、Web開催事前録画方式にて行いました。
詳細は、ご案内のホームページに示すとおりです。

最後に、長引く新型コロナウィルス感染症<COVID-19>の影響を悲観的にとどまらず、国民が望む安全・安心な歯科医療を提供するために、歯科医療従事者としてどのように在るべきか、未来に向かって進んでいることを実感した学術大会でありました。
学会成功にご尽力いただきました講師並びに座長の先生方・一般口演の演者そして参加登録いただきました皆様に心から御礼申し上げます。

会期 2021年 11月3日~ 11月27日
開催方法 Web開催(オンライン事前録画等方式)
大会長 赤井 淳二
実行委員長 沢崎 和久
副実行委員長 上條 英之・飯高 道・七沢 久子・山浦 修治
名誉大会長 大金 誠

第27回学術大会・プログラム

  1. 特別講演 
    「感染症の基礎知識と歯科医療スタッフにおける感染予防対策の実際」

    講師:日本大学松戸歯学部感染免疫学講座 教授  泉福 英信 先生

  2. シンポジウム
    「新型コロナウイルス感染症のパンデミックにおける歯科医療現場での安全・安心な対応策を現場はどうするか」

    講師①:日本大学松戸歯学部衛生学講座 教授   有川 量崇 先生
    講師②:日本歯科衛生士会 会長         吉田 直美 先生
    講師③:日本歯科技工士会 常務理事       下澤 正樹 先生
    講師④:東京歯科大学歯科社会保障学 教授    上條 英之 先生

  3. 教育講演
    「コロナ禍における人々の生きがい創り」

    講師:NPO法人日本健康教育士養成機構 理事長 大津 一義 先生

  4. 一般口演

    一般口演の申し込みを9月15日まで受け付けています。
    申し込み先:lalaport-shika@joy.ocn.ne.jp

2020年 関東甲信越歯科医療管理学会 第26回学術大会のご報告

幸福な人生百年時代を迎えるための
歯科医療の位置づけを考える

第26回学術大会は、新型コロナウィルス感染症の世界的な蔓延が続いたことから、関係学会の動きを踏まえ、急きょ、開催形態をWEB開催に変更して、2020年9月13日から10月18日まで開催しました。
また、WEB開催の利点を生かし、非会員及び関東甲信越地域以外に所属する日本歯科医療管理学会会員を対象に加え、112名が学術大会に参加しました。
なお、大会のメインテーマは、2019年以降、「100歳時代をどう生きるか」について、本会が検討してきた結果、100歳まで生き抜く第一条件は健康寿命を飛躍的に向上にさせることが大命題で生体の(運動器の鍛錬・生活習慣病の自己管理・健康生活の維持に関して自立歩行の確保が重要なテーマの1つと考え、「幸福な人生百年時代を迎えるための歯科医療の位置づけを考える」との大会テーマを設定しましました。
大会テーマに基づき、特別講演、シンポジウム、一般演題10題により、WEB開催事前録画方式にて、2020年9月から10月まで行いました。詳細は、ご案内のホームページに示すとおりです。

会期 2020年 9月13日~ 10月18日(日)
開催方法 WEB開催(オンライン事前録画等方式)
大会長 上條 英之
実行委員長 北村 隆行
副実行委員長 飯高 道・七沢 久子・赤井 淳二・山浦 修治
名誉大会長 大金 誠

第26回学術大会プログラム

  1. 特別講演1:フレイルと転倒
    原田  敦(社会福祉法人 仁至会 介護老人施設 ルミナス大府施設長)

  2. 特別講演2:人生100年時代の歯科医療と地域包括ケアにおける役割
    唐澤  剛(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授)

  3. 歯科口腔保健セミナー:セルフケア用品「フッ化物配合歯磨剤」の機能と有用性
    柴崎顕一郎(ライオン株式会社 研究開発本部 戦略統括部)

  4. シンポジウム:健康長寿の延伸に向けてレセプト特定健診等情報データベースの歯科診療での応用を考える
    講師①:新畑覚也(厚生労働省保健局医療介護連携政策室)
    講師②:野田龍也(奈良県立医科大学医学部 公衆衛生学)
    講師③:恒石美登里(日本歯科総合研究機構)
    講師④:鈴木誠太郎(東京歯科大学 衛生学)

  5. 一般口演:10題
    1.歯科衛生士に対する復職支援・離職防止等推進事業での研修受講者における勤労観
    2.歯科医療機関に就職した歯科衛生士の定着条件 – 第二報 –
    3.専門職連携教育における日本歯科衛生士会「歯科衛生士の倫理綱領」の役割について
    4.性別・年齢階級別における歯科技工士の就業者率と今後必要な新規資格取得者数等に関する分析
    5.歯科医院の転医理由と転医時の治療内容の検討
    6.新型コロナウイルス感染症に対する柏歯科医師会としての対応
    7.超高齢社会を支えるメッセージ『8029』
    8.「8029」運動におけるガム咀嚼の取組み
    9.腔機能年齢(お口年齢)を用いた患者指導-口腔機能低下症検査結果の活用-
    10.毛の硬さや毛先形態の異なる歯ブラシにおける刷掃速度が清掃特性に及ぼす影響

関東甲信越歯科医療管理学会2020年度
第26回学術大会のWEB開催を終わって

 

いままでの学術大会の開催

関東甲信越歯科医療管理学会では支部の時代から学術大会を開催してきましたが、他地区と同様、本会が関東甲信越地区で学術大会を開催する場合、併催で実施し、2年前の学術大会の独立開催の際は、HPにも記載されているとおり、1日でシンポジウムと講演3つをこなし、同時に一般口演を行う充実した行事で開催され、今回の学術大会もこれを踏まえて準備しました。

今回の学術大会の開催にあたって

2020年の学術大会では2年前の学術大会を踏まえ、「幸福な人生100年時代を迎えるための歯科医療の姿を考える」をメインテーマとして設定し、そのテーマに沿った特別講演とシンポジウムの企画立案を行い、早い時期から行事の確定を行いました。
しかしながら、新型コロナウィルス感染症が蔓延し、本会から2度にわたり学術大会行事の実開催自粛の要請がなされ、開催中止も視野に置かざるおえない状況でした。
ただし、本来、学会の役割は研究を育てることであり、この学会もその一役を担っていると考えるのが妥当です。一方で、急激な社会変化への対応が求められる時代には、変化に対応できる学術の発展できる環境整備が必要となります。
他の医科の学会等の状況について継続的に情報収集を行い、検討の結果、誌上開催を避け、結果的に歯科の社会系の学会としては初めてWEB開催により学術大会を9月13日から開催(開催概要はマンスリーレター第52号(令和2年7月31日発行)に掲載)し10月18日に無事会期を終了しました。

オンライン開催にも関わらず参加者は約110名に

オンライン事前録画等方式で開催した第26回学術大会は初めてのWEB開催にもかかわらず、110名を超える参加登録(2年前の実開催の時は約60名)がありました。正直、実開催ではないので、参加登録が集まるか当初危ぶまれました。実際に暫くの間、参加登録者が思ったほど伸びませんでしたが、開催時期が近づき、日を追って増えるようになりました。
もちろん、企画の段階で、今後の歯科医療の動向に影響し、歯科関係者が、情報を得る機会が比較的少ない方を講師として選定する他、一般口演については、早い時期から広く募集を行い10題の演題が集まりました。今回の参加者をみると、大学の教授クラスや団体の長であった方も多く数含まれていました。日本歯科新聞(10月6日号)及びクイントのメールマガジン(第957号)で記事が掲載されました。
ただし、初めてのWEB開催ということもあり、閲覧が行いやすいよう一般口演での座長設定や参加登録を促すため、関東甲信越の管理学会会員への総会情報の郵送時に無償での学術大会抄録集の配布や東京都歯科医師会、日本歯科医療管理学会の後援を得る対応をしました。この他、学術大会の実行委員の先生方が営業活動を積極的に行いました。今回、WEB開催が容易にできたのは、数年前からこの学会のWEBページを充実してきたことが大きく寄与したと考えられます。さらに、結果的に実行委員メンバーが一致団結して円滑な開催に努力したのがこの結果に反映されました。

今回の開催方法の概要とWEB開催のメリット、デメリット

今回の開催方法はオンライン事前録画等方式という方法で対応しましたが、最近は、歯科医師会の役員会や研修会をはじめ、どこでも、この方式は一般的になってきていますので、お分かりの方も多いと思います。比較的新しいパソコンとパワーポイントには、発表者の状況を動画で映し出せる機能があり、対応方法を各発表者に示して発表者の動画がパソコンからなるべく見えるようにしWEB動画を準備しました。
今回の学術大会では効率化から座長についても録画対応とし、質疑についてWEB上のメール機能を使って対応しました。
また、IDとパスワードが記載された参加登録証を印刷し準備しました。
ただし、この学会は常設の事務局がありませんので、どちらかというと、実行委員の機動力と役割分担により開催したのが実状です。しかしながら、今回の開催方法は、まだ改良の余地があります。表1にメリットとデメリットを示しました。

表1 今回開催したWEB開催による学術大会のメリットとデメリット

メリット(実開催との比較)

  • 新型コロナ感染症が蔓延している状態での開催が可能
  • 開催の安定度が高い(パワーポイントによる録画等での実施のため)
  • 閲覧のアクセスが高い(24時間、いつでも、どこでも、好きな時に閲覧可能)
  • 会場が不要または最小限の施設で可能(会場費は極力抑えられる)
  • 参加者負担の軽減(遠方の会員や会員外の方でも参加しやすい)

デメリット(留意すべき点)

  • 質疑等はメールでの討議に限定される。
  • 人の交流が難しい(懇親会開催不可能)
  • ホームページの整備と改良のための準備が必要
  • WEBアクセスの不具合対応が24時間必要(会期中)
  • 参加者の倫理観が高いことが前提(発表物が著作なので、WEB上での対応が必要)

今後、開催形態を変更する場合に必要な対応

この学会で学術大会を開催する場合、今までは質問紙を受講者に配布し当日に回収しましたが今回は事後に郵送による質問紙調査を行うこととなりました。調査での結果を踏まえ今後の学術大会の企画に生かすことになりますが、2020年9月30日に開催した本学会の理事会(WEB開催)での意見を踏まえ、現時点での適切な開催方法を検討してみますと、望まれる学会の開催形態の一つとして、ハイブリッド開催(オンライン開催と実開催をミックスした開催方式)があげられます。この方式ですと薬剤やワクチン等適切な対応方法がない中で新型コロナ感染症が蔓延した場合でも実開催の規模調整で対応可能となります。

まとめ

今回の関東甲信越地区でのWEB開催を顧みますと、今後の学会開催では関係者の英知のもと新型コロナウィルス感染症の動向をみながら、2040年に向けて急激な社会変化と情報化が進む中で健康長寿の実現に向け、院内感染防止を伴う医療管理を進め、情報化に伴うメリットを生かしていかに適切な歯科医療が患者さんに提供できるよう、歯科医療機関の円滑な管理に資するその時代に最も適切でベストな行事開催を行うかに尽きると思います。

担当者の独り言

大金 誠(名誉大会長)

当初、本大会は母校を会場にすることが決定していました(下見も終わっていました)。
しかし、コロナ禍のためWEB開催での開催となりました。
上條大会長・北村実行委員長始め関東地方会のメンバーの協力のもと成功裏に終了することができました(深謝)。個人的には開始以来、私は毎日学会に参加していました。何度視聴しても得ることが多く感謝して最終日を迎えました。

北村 隆行(実行委員長)

第26回学術大会を無事に終了することができました。コロナ禍の中での初めての試み、試行錯誤の連続となり実行委員への負担は例年より大きかったと思いますが上條大会長の信念によりWEB開催へと漕ぎつけました。私達も学ぶことが多く、講師、演者の先生方はじめ支援してくださった方々に篤く御礼申し上げます。今回の開催が今後の学術大会開催の先鞭となりご参考となれば大変光栄なことです。

赤井 淳二(副実行委員長)

会員わずか400名足らずの小さな学会(関東地方会)がほんとうにWEB開催ができるのだろうかという半信半疑の中から始まった実行委員会でした、上條大会長をはじめとする関係者の英断と尽力により、成功裏に終了できたことを大変うれしく感じました。今回の関東地方会の成功により他の学会や研究会の今後の大きな道しるべを示したものであり、このノウハウが広く(コロナ禍終息までの間) 、学術の普及に役立つことを願っております。

山浦 修治(副実行委員長)

実開催を取りやめオンライン事前登録方式での第26回学術大会を開催するとの提案を初めて聞いた時、内心「実現可能か」と思って仕舞いました。結果、夢が現実となりました。
これはひとえに大会長・実行委員長・実行委員の方々のご尽力、加えて事前録画にご協力いただいた演者・座長の先生方、そしてご後援・支援して頂いた方々の賜物と深謝いたします。気が早いですが、次年度は・・・期待が膨らんでいます。

七沢 久子(副実行委員長)

関係者の皆様に感謝いたします。私は会計を担当致しました。予算の段階では参加登録者を60名で計上、閉め切ってみますと187パーセント増しの112名という好結果でした。
ご尽力いただいた先生方に深く感謝申し上げます。また、クイントエッセンス社そして日本歯科新聞社の2社の報道機関に報道して頂き全国の歯科関係者の皆様のお目に留まったことと推察しています。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。

飯高 道(副実行委員長)

関東地方会の常日頃の目標は本部の学術大会に追いつけ・追い越せがスロースガンと なっています。理事長からは二度の実開催自粛要請をいただきながら、最後にはご挨拶文も執筆していただき感謝感激でした。内部的には各部門の担当者が責任をもって完璧な役割を実行され、とても楽しい学会準備となりました(外部からのお手伝い企業の一世印刷・ロシナンテの職員の方々に感謝申し上げます)。

今後とも関東地方会に対して、ご指導ご鞭撻のほどお願いします(会長 大金 誠)

2020年 関東甲信越歯科医療管理学会 第26回学術大会について

新型コロナウィルス感染症の蔓延が続いていることから、安全な大会開催を図るため9月13日開催予定の学術大会の実開催を取りやめ、オンライン・事前録画方式により開催致します。

2020(令和2)年度 関東甲信越歯科医療管理学会総会・第26回学術大会プログラム・抄録集のダウンロードはこちらより»

大会テーマ
「幸福な人生百年時代を迎えるための歯科医療の位置づけを考える」

大会要旨
本会では昨年秋より「100歳時代をどう生きるか」について、検討し各方面の方々のご意見・原稿を頂いて来ました。その結果、100歳まで生き抜く第一条件は健康寿命を飛躍的に向上にさせることが大命題となると考えられました(運動器の鍛錬・生活習慣病の自己管理・健康生活の維持)。即ち、自立歩行の確保と考え、大会テーマを設定しました。
会期
2020(令和2)年9月13日(日)~10月18日(日)
大会長
上條 英之(東京歯科大学 歯科社会保障学 教授)
開催方法
誌上及びWEB開催(大会アドレス名が決まり次第記載)
抄録の印刷は従来どおり、紙媒体で行うこととし、録音機能付きパワーポイント(発表者の動画掲載等が同時に可能なもの)を、本学会WEB上に掲載し、約1か月間、参加登録を行った会員に限定して、公開を行い、著作権法上の取り扱いへの配慮を行うものとする。なお、質問等については、WEB上に記載欄を設けて、行うものとする。
参加料
5,000円(参加登録料振込先  口座開設手続き中)

 

第26回学術大会・プログラム

  1. 特別講演① 
    「フレイルと転倒」

    講師:介護老人保健施設 ルミナス大府施設長(元国立長寿医療研究センター病院長)
    原田  敦 先生

  2. 特別講演② 
    「人生百年時代を迎えての希望と未来~社会保障制度の中での歯科医療を考える~」

    講師:慶応大学大学院政策メディア科 特任教授(元内閣官房地方創生総括官)
    唐澤  剛 先生

  3. シンポジウム
    「健康寿命の延伸に向けてレセプト特定健診等情報データベースの歯科診療での応用を考える」

    講師①:厚生労働省保険局医療介護連携政策課 医療費適正化対策推進室 室長 新畑 覚也 先生
    講師②:奈良県立医科大学公衆衛生学講座 准教授 野田 龍也 先生
    講師③:日本歯科総合研究機構 主任研究員 恒石美登里 先生
    講師④:東京歯科大学衛生学講座 助教 鈴木誠太郎 先生

  4. 歯科口腔保健セミナー
    「セルフケア用品 『フッ化物配合歯磨剤』 の機能と有用性」

    講師:ライオン株式会社 研究開発本部 戦略統括部 柴崎顕一郎 先生

  5. 一般口演

    ① 歯科衛生士に対する復職支援・離職防止等推進事業での研修受講者における勤労観
    ○則武加奈子1),田野ルミ1),福田英輝1),大島克郎2),渡邊洋子3),大城暁子3,4),新田浩1),三浦宏子6)
    1) 東京医科歯科大学歯科総合診療部 2) 国立保健医療科学院 3) 日本歯科大学東京短期大学
    4) 東京医科歯科大学歯科衛生士総合研修センター 5)東京医科歯科大学息さわやか外来
    6) 北海道医療大学歯学部

    ② 歯科医療機関に就職した歯科衛生士の定着条件 -第二報-
    ○七沢久子1,2)、内田喜仁2)、三森幹夫2)
    1) 山梨県歯科衛生専門学校 2)山梨県歯科医師会

    ③ 専門職連携教育における日本歯科衛生士会「歯科衛生士の倫理綱領」の役割について
    〇鶴田潤1),戸田花奈子2)
    1) 東京医科歯科大学統合教育機構 2) 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科口腔疾患予防学分野

    ④ 性別・年齢階級別における歯科技工士の就業者率と今後必要な新規資格取得者数等に関する分析
    ○大島克郎1),三浦宏子1),田野ルミ2),則武加奈子4),福田英輝3)
    1) 日本歯科大学東京短期大学 2) 北海道医療大学歯学部 3) 国立保健医療科学院
    4) 東京医科歯科大学歯学部附属病院

    ⑤ 歯科医院の転医理由と転医時の治療内容の検討
    ○小野瀬 祐紀1,2),久保秀二3,4),高橋義一2,5),鈴木誠太郎2),佐藤 涼一2),上條英之6),杉原直樹2)
    1) 秋庭歯科 矯正歯科クリニック 2)東京歯科大学衛生学 3) 東京歯科大学老年歯科補綴学
    4) 久保歯科医院 5) 高橋歯科医院 6) 東京歯科大学歯科社会保障学

    ⑥ 新型コロナウイルス感染症に対する柏歯科医師会としての対応
    ○長尾 由樹,黒滝義之,藤田英之,松岡政之,細井毅,高野正博,小野泰弘,寺田英史,横山幸夫,金剛寺高宏,中山宙久,鏑木重男
    柏歯科医師会

    ⑦「超高齢社会を支えるメッセージ『8029』」
    〇小宮あゆみ,砂川稔,高原正幸,久保木由紀也,塚本康紀,米谷敬司,水町裕義,赤井淳二
    千葉県歯科医師会

    ⑧「8029」運動におけるガム咀嚼の取組み
    ○田口千恵子1),竹内麗理2),谷野 弦3,4) ,鈴木英明5),寺田 陵6),水町裕義6) ,米谷敬司6) ,小宮あゆみ6),大河原伸浩6),久保木由紀也6),高原正明6),砂川 稔6),有川量崇1)
    1) 日本大学松戸歯学部衛生学 2) 日本大学松戸歯学部分子生物・生化学
    3) 名戸ヶ谷病院歯科診療室 4) 日本大学松戸歯学部口腔外科学
    5) 千葉県健康福祉部健康づくり支援課 6) 千葉県歯科医師会

    ⑨ 口腔機能年齢(お口年齢)を用いた患者指導-口腔機能低下症検査結果の活用-
    ○佐藤裕二
    昭和大学歯学部 高齢者歯科学

    ⑩ 毛の硬さや毛先形態の異なる歯ブラシにおける刷掃速度が清掃特性に及ぼす影響
    〇高柳篤史1,2),遠藤眞美2),地主知世2),山岸敦1),野本たかと2)
    1) 東京歯科大学衛生学 2) 日本大学松戸歯学部障害者歯科学

2019年度関東甲信越医療管理学会・定時総会開催のご案内

2019年度関東甲信越医療管理学会・定時総会開催ご案内を致します。初企画として、総会終了後『開業医必見・ミニ講演』も開催します。

2019年6月19日

関東甲信越歯科医療管理学会
会員 各位

拝啓

 会員の皆様におかれましては益々ご健勝の事と、お慶び申し上げます。
本部の法人化に伴い関東支部も名称を変更し、任意団体としての「関東甲信越歯科医療管理学会」の名称で再出発し、はや一年になりました。
ちょうど一年目の節目が天皇陛下の退位と皇太子さまの即位・令和への改元と重なりました。
関東甲信越歯科医療管理学会は全国の地方会の中で最も多くの会員(約40%)が所属しています。役員一同、気を引き締めて頑張りますのでご協力の程お願い申し上げます。

さて、2019年度定時総会を下記の予定で開催致しますのでご案内申し上げます。今回は(一社)日本歯科医療管理学会第60回総会・学術大会との併催となり、全国大会会場内での開催となります。
また、本部と関東地方会の共同企画は昨年「関東地方会・第24回学術大会」の教育講演で講師を務められた、東京大学の腎臓内科助教の本田謙次郎医師が此度も講演「腎臓病医療の最前線―東大病院での感染対策について―」というテーマでお願いしてあります。ぜひ本部第60回全国大会と関東地方会との共同企画セクションにもご参加をお待ち申し上げます。

ご多忙中のところお手数ですが7月8日(月)までに「返信用ハガキ(料金受取払扱)」でご回答下さい。
なお、期日までにご回答をいただけない場合は審議事項につきご承認いただいたものとさせて頂きます。

開催日時 2019年7月14日(日)12:10~13:10
開催場所 日本大学歯学部 本館7階 創設百周年記念講堂
東京都千代田区神田駿河台1-8-13
議案 1)2018年度収支決算書(案)承認の件
2)2018年度第24回関東地方会収支決算書(案)承認の件
3)2019年度事業計画(案)承認の件
4)2019年度収支予算書(案)承認の件
5)2020・2021年度会長・監事の件

総会後の『ミニ講演』〈約15分企画〉

「歯科診療記録による身元確認」 ~突然、警察から身元確認協力のために、
カルテなどの関係資料の提供を求められたらどうしますか~

2019・7・14(於・駿河台日大歯学部本館7F)

関東地方会・総会後ミニ講演
講師:千葉県歯科医師会・警察歯科医会副会長
歯学博士 大森 基夫先生

開業医の方必見です!

『ミニ講演』は関東地方会以外の参加者も聴講可能です(総会終了後入場可能)。
皆さま、お誘いの上ご参加お待ち申し上げています。

日時・場所 2019年7月14日(日)12:40から
日本大学歯学部本館7階・創設百周年記念講堂
テーマ 「歯科診療記録による身元確認」
~突然、警察から身元確認協力のために、カルテなどの関係資料の提供を求められたらどうしますか~
講師 千葉県歯科医師会・警察歯科医会・副会長
元日本大学松戸歯学部・口腔外科 専任講師
大森歯科口腔外科医院 院長 大森基夫先生
紹介 講師の大森先生は千葉県の警察嘱託医のトップとして身元確認などのお仕事を長年にわたり携わり、また指導・研究もされています。近年は千葉大学医学部法医学講座と包括連携協定をむすび、より制度の向上を目指している警察歯科医のオーソリティーです。
講演パンフレット

画像をクリックするとパンフレットをご覧いただけます。

<はじめに>

  1. 歯科所見による身元確認が有用であることを立証し、社会的に認識した事案は1985年に発生した群馬県での日航機墜落事故であった。

  2. 2011年3月に発災した「東日本大震災」では全国から多数の歯科医師が協力出動し犠牲者の身元確認に貢献 したことが身元確認の新しい概念が定着した。

  3. 2013年には死体の身元調査に関する法律の制定により調査実施時に歯科医師の立ち合い、歯牙の調査が求められ、この身元を明らかにするための措置は歯科医師が行うと明記された。

  4. まとめ:日航機墜落事故を契機に誕生した警察歯科医を取り巻く環境は大きく変化。

<身元確認の必要理由>

  1. 警察捜査上の問題(刑事訴訟法第229条及び検視規則により検視)

  2. 法律上の問題(戸籍法86・87・88条の規定により、死亡届の必要性)。本届により戸籍抹消され火葬埋葬許可書の交付。

  3. 死者の人権の問題(身元確認は死者の人権を守る役割がある)

<死因究明関連3法>

  1. 死因究明等の推進に関する法律(死因究明等推進法)
    →2012年9月施行

  2. 警察が取り扱う死体の死因または身元の調査等に関する法律(死因・身元調査法)
    →2013年4月施行

  3. 死因究明等推進基本法が6月4日可決・成立。
    →2020年4月施行予定
    附則では約3年をめどに㋑死因究明で得られた情報の一元的な集約・管理、㋺子供の死亡原因に関する情報の収集・管理・活用の仕組み以上の2項目を検討事項としている。

  4. まとめ:上記3法の条文に身元確認の重要性と歯科医師の役割が明記されたことが特筆され調査時の立ち合いと業務内容さらに人材の育成から研究の充実まで盛り込まれた画期的な法律となった。

<講演要旨>

  1. 遺体の身元確認を特定する科学的手段として指紋、歯科所見、DNA型があり、これらの単独あるいは併用により確認する。

  2. 歯科所見による身元確認とは、遺体の歯科所見と該当者のカルテ、X線写真等歯科診療記録を比較・照合して本人であるか否かを判断するもので、生前健診していた歯科医療機関の協力が不可欠である。

  3. しかし具体的にどこまで協力すべきか、拒否した場合はどうなるか、提供後の資料の扱いはどうなるのかなど不安も付きまとうと思う。

  4. そこで警察の死体取り扱いの流れの中で、歯科資料提供を求める根拠法令、提供資料の内容、協力依頼された時の歯科医師、歯科医師会の対応についてご説明する。

  5. 後半は提供された歯科診療記録から身元が確認された事案をもとに、作成書類の種類と作成方法についても説明し、学会参加歯科医師の先生方のご理解を深める一助にとなれば幸いです。

関東甲信越歯科医療管理学会
会長 大金 誠
E-mail:mogdent@aa.wakwak.com
FAX:029-231-5445
総務担当副会長 飯高 道

2018年 総会・第24回学術大会及び本会活動の報告

関東甲信越歯科医療管理学会報告

<総会・第24回学術大会及び本会活動>

開催日
2018年9月2日(日) 
開催場所
JR四ッ谷駅前「一般財団法人 主婦会館・プラザエフ」
大会長
大金  誠
実行委員長
飯高  道

2018年度活動報告

  1. 関東甲信越歯科医療管理学会の俗称を「関東地方会」とすることを理事会で決定。

  2. 理事会×4回(4/20.5/17.6/26.7/31)、三役会×3回(4/16.6/12.8/21)、第24回学術大会準備委員会×2回(1/30.4/6)、前夜祭(9/1)、
    以上各種、会議を開催。

  3. 2018年6月末日:懸案であった「Webサイト」にホームページをアップ完了

  4. 2018年9月2日(日):本会最大の事業である『総会・第24回学術大会』を開催(94名参加)。

 第24回学術大会は第23回学術大会のメインテーマを踏襲し「明日を拓く 再び」~健康長寿へのお手伝い・歯科医療に出来ること~とした。高齢化社会・少子化社会など国民の最大関心事に的を絞り、ヒトが誕生し生涯を終わるまでの期間、いかにQОLを維持し自立した生活をして行くかを患者さんそして医療人の垣根を乗り越えて考えていきたく企画しました。そして、本大会で最も力を込めて企画したのは「歯科衛生士セクション」でした。また、継続的に実施したい企画は教育講演の「全身疾患と歯科医療」でした。また近年、歯科界で取り上げられている「デンタルフレイル」です。本大会では基調講演でロコモ・フレイル・サルコペニアの定義を疫学の専門家より講演頂き、正しい考え方を再確認出来ました。前述した継続的な企画したい「教育講演」の全身疾患と歯科医療でも健康長寿を実践するには腎臓が大切な事を理解し、現在透析治療を行っている現役歯科医師の先生からも貴重な情報を頂けました。最後になりましたが一般講演(×6題)も非常に熱気のこもる発表が続きました。 >>詳細こちらを御覧ください。

 

第24回学術大会・プログラムログラム

「明日を拓く 再び」 ~健康長寿へのお手伝い・歯科医療に出来ること~

  1. 基調講演「新しい要介護原因疾患の概念と相互関連:ロコモとフレイルとサルコペニア

    講師 ①東大医学部付属病院・22世紀医療センター・吉村典子特任教授

  2. 歯科衛生士セクション「厚労省から東京医科歯科大歯学部付属病院への受託事業」

    ~歯科衛生士の復職支援・離職防止等推進事業について
    講師-1 和田康志(前)厚労省医政局歯科保健課課長補佐
    講師-2 渡邊洋子東京医科歯科大(歯学部)歯科衛生士
    講師-3 近藤圭子東京医科歯科大(歯学部)講師
    講師-4 久保田順子くぼた歯科副院長

  3. 教育講演(認定医研修会)「全身疾患と歯科医療」

    パート1「健康長寿で大切な臓器は腎臓だと知っていますか」
    講師 東大医学部付属病院 腎臓・内分泌内科・本田謙次郎助教
    パート2「透析治療を通じ、現役歯科医師として病気とどう向き合うか」
    講師 オカモト歯科医院 岡本英彦院長

  4. 特別講演「昭和大学全学で取り組んでいる“健康長寿”について」

    講師 佐藤裕二昭和大学(歯)高齢者歯科学教授・日本老年歯科医学会理事長

学会の様子

基調講演

新しい要介護原因疾患の概念と相互関連:ロコモとフレイルとサルコペニア

講師:東京大学医学部附属病院22世紀センターロコモ予防学講座
特任教授 吉村典子

 ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ、和名:運動器症候群)とは運動器障害のために移動機能の低下をきたした状態であり、進行すると介護が必要な状態になるリスクが高い状態と定義される。すなわち、ロコモは筋肉、骨、関節、軟骨などの運動器に障害が生じ、「立つ」「歩く」といった機能が低下することを指す。
一方、フレイルとはFrailty(そのまま訳せば虚弱、老衰の意味)の和訳であり、健康状態と介護状態の間に位置するものという概念である。フレイルは高齢期に生理的予備機能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋肉の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題をも含む概念と定義されている。フレイルは身体的、精神・心理的、社会的要素を持ち、身体的フレイルの主体をなす病態として、筋力減少症(サルコペニア)が注目されている。

 サルコペニアは筋肉量の低下を主体とするが、握力や歩行速度の低下など機能的低下を含む概念である。運動器障害の立場から見ると、筋肉という運動器障害であるサルコペニアは、フレイルの身体低要素であると同時に、ロコモの原因疾患であるとも言える。ロコモという大きなくくりの中にフレイルとサルコペニアが交錯してあることをイメージするとこの3者の関係を理解しやすいかもしれない。

 これらの新しい概念はそれぞれのエビデンスが少なく、コホート調査が大きな疫学的指標となっている。大規模住民によるコホート調査は事象の発生順序がわかる、複数の結果因子が同時に調べられるなどの利点があり、この3者には大きな相関関係があることがわかってきた。今後は歯科的因子も加味して結果を報告していきたい。

(座長 赤井淳二記)

歯科衛生士セクション

厚生労働省から東京医科歯科大学歯学部附属病院への受託事業
「歯科衛生士の復職支援・離職防止等推進事業」について

講師1 (前)厚生労働省医政局歯科保健課課長補佐(本会会員) 和田康志

 今後の年齢階級別人口の推計を取り上げて、わが国の歯科保健医療の需要の変化によって歯科衛生士に求められる役割や働く場所が多様化していることを報告され、歯科衛生士の復職支援等については,これまで各都道府県の実情にあわせて「地域医療介護総合確保基金」の事業で取り組まれていましたが、今後はブロック単位で広域的に事業を展開していくことが求められているとのことの貴重な講演内容でした。

講師2 東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科衛生士  渡邊洋子

 現在行っている「歯科衛生士技術訓練部門の運営事業」について、具体的な取り組み、現状を講演されました。

講師3 東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科講師(本会理事)  近藤圭子

 歯科衛生士の教育と課題や養成機関の卒業後の役割について教育現場での取り組みをお話され、大変有意義な内容でした。

講師4 くぼた歯科・矯正歯科副院長(本会理事)  久保田順子

 新卒歯科衛生士を採用した実例や、復職歯科衛生士を採用した現状など、多方面からの検討を踏まえた報告でした。

【質疑応答】

質問:会場の歯科医師から、「キャリアパスの構築」についてのタイムリーな質問がありました。

回答:講師からそれぞれ回答があり、「これからどういう歯科衛生士になっていくのかというイメージで、キャリアパス制度を構築し、それを評価していくことが大切である。」などの回答もあり、大変活気のあるセッションとなりました。

まとめ:この大会には、歯科衛生士養成校の先生方も多数参加していただくことができ、今後、歯科衛生士の復職支援・離職防止等推進事業がさらに広まり、歯科界はじめ、医療界に明るい未来への展望を期待したいです。

(座長 七沢 久子記)

教育講演(認定医研修会)

「全身疾患と歯科医療」

~健康長寿で大切な臓器は腎臓だと知っていますか~

講師1 東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 助教 本田謙次郎

~透析治療を通し、現役歯科医師として病気とどう向かうのか~

講師2 オカモト歯科医院 院長 岡本 英彦

ファシリテーター  北村 隆行

 本講演は、三部構成としました。第一部は「健康長寿で大切な臓器は腎臓だと知っていますか」との演題で東京大学腎臓・内分泌内科の準教、本田謙次郎先生に(1).本邦における慢性腎臓病(CKD)、(2).東大病院における感染対策、(3).腎臓病患者さんにおける歯科処置、とのことでお話しいただきました。内容は、腎臓病の基礎・臨床的なことから始まり、日本における現状では20歳以上の8人に一人がCKD患者であり、高齢者社会の到来に伴いCKD患者は増加傾向にあること。日本の透析患者さんは33万人であることなどを伺い日々の歯科治療時にもこれらのことは念頭にしておかねばならないことを実感しました。次に、いま歯科界で少々再燃しつつある話題、感染対策につき“医科領域現場”での感染対策の具体例(スタンダード・プリコーションなど)を詳細にご説明頂きました。最後に、歯科処置時における当該患者さんに関しての傾注すべき事項につきお話し頂きました。第二部は「透析治療を通し、現役歯科医師として病気とどう向き合うか」との演題で成田市開業の歯科医師岡本英彦先生に、患者さん側からの腎臓病における透析治療に“自ら”対峙した時の切実な感想、加えて厳密な日常の健康管理の御苦労話などを講演して頂きました。第三部ではファシリテーターとして当会理事の北村を交え、質疑応答を中心としたフリートークを行い終了しました。

(座長 児嶋 彰仁記)

<ファシリテーター>からのコメント

 今学会の教育講演では「全身疾患と歯科医療」のタイトルのもとに慢性腎臓病を採りあげ、2名の講師に講演をしていただいた。第1部は日本有数の大病院で腎臓病治療の第一線で活躍する医師によるものであり、第2部は重度の腎臓疾患を有する患者として余人には測りがたい闘病生活を送りながらも開業医として診療も行っている歯科医師によるものであった。同じ疾患を対象とした講演であっても治療を行う側と受ける側という立場の違いがあり、両講演により腎臓疾患について学ぶことができただけではなく、自らが腎臓病患者となったことで歯科医師としての診療をおこなっていく上で患者の気持ちにより深く寄り添うことができるようになったという貴重な言葉は受講者に得難い感銘を与えたと思われる。当学会の教育講演に相応しい内容であったと考えている。(北村 隆行記)

(北村 隆行記)

特別講演

「昭和大学全学で取り組んでいる“健康長寿”について」

講師 昭和大学歯学部高齢者歯科学講座教授(本会理事)
日本老年歯科医学会理事長  佐藤 裕二

 「昭和大学は『私立大学研究ブランディング事業』の推進指定大学に選ばれ、生活習慣病の原因解明、予防、治療により健康長寿に貢献することを目標として事業を推進しています。

 その内容は生体内で起こるレドックス反応(酸化還元反応)、その異常は生活習慣病に深く関係していること、昭和大学は医・歯・薬・保健医療学部からなる医系総合大学であり融合的研究を進めることができます。この成果を臨床研究の場で検証し学内のネットワーク体制を構築することを目的としています」とお話しを頂いた。(一部、講演抄録・昭和大学WEBページより引用)

 「歯科については『口腔機能低下症』」が注目を浴び、オーラルフレイルも含めて、その検査が健康保険に導入されました。オーラルフレイル(口の機能低下)のサインは、しっかり噛めない・食べこぼす・むせやすい・口渇・滑舌が悪いなどです。よく噛めないことが全身のフレイル(虚弱)に繋がり、入院や要介護の遠因となります」とお話しがあった。

 次に健康保険に導入された口腔機能低下症の7つの症状とその検査項目について、詳細な説明を保険点数も含めて説明を頂きました。

 7つの症状は1、口腔衛生状態不良2、口腔乾燥3、咬合力低下4、舌口唇運動機能低下5、低舌圧6、咀嚼機能低下7、嚥下機能低下、うち3項目以上該当で口腔機能低下症と診断される。

 それぞれ1、舌苔の付着程度の検査2、水分計、サクソンテスト3、咬合圧検査、残存歯数検査4、オーラルディアドコキネシス(pa/,ta/,ka/)による評価5、低舌圧の検査(舌圧測定器)6、咀嚼機能低下の検査(グミゼリー・グルコセンサー、咀嚼能率スコア法)7、嚥下機能低下の検査(嚥下スクリーニング検査、自記式質問表)により評価を行うとの説明がありました。保険請求方法まで含めた詳細で分かりやいお話を頂き、本学会らしい、明日からの臨床に役立つ有意義なご講演であったと思います。次の機会には, 口腔機能低下症と診断した後の治療のガイドライン、メインテナンスなど、ご示唆頂けるようお願いいたします。

(座長 山浦 修治記)

一般口演

  1. 歯科医院における高血圧に対する心理・社会的要因の影響について

    東京医科歯科大学歯学部附属病院歯科総合診療部 木村 康之
    東京医科歯科大学統合教育機構 鶴田 潤
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯学教育システム評価学分野 荒木 孝二

  2. 歯科医療機関に就職した歯科衛生士の定着条件
    歯科衛生士の離職・復職に関する要因についての検討

    山梨県歯科衛生専門学校 七沢 久子

  3. 柏市総合特区事業における柏歯科医師会の現状報告と今後の展望 第2報 

    一般社団法人 柏歯科医師会 松岡 政之

  4. 医科歯科病診連携における柏歯科医師会のこれまでの取り組み

    一般社団法人 柏歯科医師会 寺田 英史

  5. 歯のメインテナンス治療受診患者の歯科保健状況の比較

    東京歯科大学歯科社会保障学 上條 英之

  6. 地域包括ケアシステムに対する歯科臨床実習教育について

    東京医科歯科大統合教育機構 鶴田 潤

過去の学術大会日本歯科医療管理学会関東支部 第23回学術大会のご案内

「明日を招く 再び」
-歯科医療にできること-

  1. 特別講演Ⅰ  平野 浩彦先生

    「今なぜオーラルフレイルが注目されるのか-老年学の視点から」

  2. 特別講演Ⅱ  池山 和幸先生

    「オーラルフレイル対策としての化粧療法」

  3. ワークショップ  小野寺 鏡子先生

    「デンタルパス 古河市の取り組み-足踏み吸引器の作り方」

  4. 教育講演(認定医研修会)  能村 仁美先生

    「KYT(危機予知トレーニング)を取り入れた歯科医療安全の向上」

会期 2017年9月10日(日)
会場 飯田橋・レインボーホール

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